成人期の発達障害
発達障害は先天的な障害であり、成人になってから発症することはありません。
成人期の発達障害は、大人になるまで発達障害に気付かず、大人になってから診断を受けたり、自覚したりするケースを言います。大人になってから発達障害だとわかるケースは、最近とても増えています。
学生時代は発達障害を個性や苦手なこととして捉え、困難なことも自分なりの方法で乗り越えてきたけれど、社会に出て発達障害によるトラブルに戸惑ったり悩んだりして発達障害を自覚する人や、抑うつ症状などがきっかけで発達障害が発見される人などが増えています。
<主な特徴> 子どもの発達障害と同様、社会性・コミュニケーション・創造性・体の感覚などに特徴があります。
○場の雰囲気を読むのが困難
雰囲気を掴むことができず、不適切な事を言ってしまったり、全く無関係な事を言ってしまったりします。
また、周囲の反応がそのように感じることがある事もあります。
「空気が読めない人」「宇宙人みたい」などと言われることも。
○話が伝わりにくい
「話が長い」と言われることがよくある。思っている事を要約できずに長く話をするが、相手にはうまく伝わって
いないことがあげられます。また、自分でも何を話しているのかわからなくなることもあります。
学童期・思春期は、学校の文章問題を理解するのが困難だったケースが多いです。
○集中しすぎてしまう
興味のあることに関しては、過剰なほどに集中してしまう状態です。人に声をかけられても耳に入らず、
一晩中でも続けられるほどの集中力です。子どもの頃から、興味のある分野に関しての知識は大人顔負け
だった事が多いのも特徴です。
○曖昧な表現が理解できない
一つ一つ説明してもらわないと理解ができず、「ちゃんとやりなさい」「適当でいいよ」などの曖昧な表現の時に、
どのようにしたら良いのかわからない事が多いです。
多くは、幼い頃から「あそこ」「それ」などの抽象的な表現が理解できなかったケースです。
○初めての場所・行動にとても緊張する
場所が変わっただけで緊張してしまい、普段していることでも出来なくなってしまいます。また、慣れるのに
とても時間がかかる事もあります。急に予定が変更したりすると、どうして良いのかわからなくなってしまいます。
○優先順位をつけるのが苦手
一度に複数のことができず、混乱してしまいます。何かをしているときに、他の事を頼まれたりしても、
何を言われたのか覚えていないこともあります。
○思ったことをすぐに口にしてしまう
「正直すぎる」と言われることがあったり、相手が不快に思うことでも口にしてしまいます。
また、言葉の裏が読めずに、言われた事をそのまま受け入れるので、冗談や遠まわしな言い方が
理解できないことも多いです。
○感覚が敏感である
五感に敏感であり、肌触り(触覚)にこだわりがあって特定の衣服しか着なかったり、他の人が聞こえない音にも
反応してしまったりします(聴覚)。
気になる臭いがあったり(臭覚)、食べ物の好き嫌いが激しく極度の偏食の場合もあります(味覚)。