発達障害の分類・特徴

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発達障害とは、主に先天性の脳機能障害が原因となり、乳幼児期に生じる発達の遅れです。精神障害や、知能障害を伴う場合もあります。
症状の特徴によりいくつかに分類されますが、複数の発達障害を合併することもあります。また、知的障害や精神障害を合併していることもあります。

広汎性発達障害

広汎性発達障害は、比較的症状の軽い場合を含めると0.5%~0.9%の割合でみられる発達障害の一つであり、自閉症・アスペールガー症候群・トゥーレット症候群・小児期崩壊性障害などが含まれます。
症状の程度はさまざまであり、重度の場合には知的障害が見られることもあります。

●特徴
広汎性発達障害の特徴として、社会性の発達・コミュニケーション能力に障害があり、強いこだわりがあるという特徴があります。その他、感覚が過敏であるという特徴や、想像力の障害などもみられます。
また、広汎性発達障害には知的能力に障害がある場合もあり、知的能力に障害のない場合は「高機能広汎性発達障害」とも呼ばれます。

自閉症

自閉症にはさまざまな症状があり、軽度の場合、健常者と区別がつかないこともあります。
赤ちゃんの頃から特徴的な行動や仕草が見られ、3歳くらいまでに自閉症だと気付く場合が多いです。

  • ○人と関わらない
    目を合わせられず、他の子と一緒に遊べません。
  • ○コミュニケーションが取れない
    言葉の遅れ・オウム返しがよくみられ、全く言葉が出ない場合もあります。
  • ○多動
    子どもは障害の有無に関係なく、よく走り回りますが、自閉症の場合は目的もなく、走り続けます。
    じっとしていられずに、教室などから飛び出してしまうこともあります。
  • ○こだわり
    限られた物や行動・習慣にこだわり、同じことを何度も飽きずに繰り返したり、同じ遊びを繰り返したりします。
    同じ日課・同じ食べ物・同じ道順など、決まった行動や興味のあるものにこだわりを示します。
  • ○意志の疎通が出来ない
    意志を言葉で伝えられないために、何かをして欲しいときに相手の手や腕を掴み、そこまで引っ張っていくような
    クレーン現象があります。また、意味のわからない言葉を発したり、同じ言葉を繰返したりします。
  • ○パニック
    自閉症は自分の気持ちを表現できないために、欲求がある場合や慣れないことをした場合、予定などの変更が
    あったりして混乱した場合にパニック状態になります。
    自分の頭を壁などにぶつけたり、髪の毛を引っ張ったりという自傷行為などがあります。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、他人との社会的関係をもつこと・コミュニケーション・想像力と創造性の3分野に障害を持つ症状があり、自閉症とよく似ています。しかし、言語障害や知的障害がないために障害があるようには思われず、「変わった人」「個性的な人」というイメージだけを持たれる場合が多いです。
そのために理解や支援を得にくいという面がありますが、周囲の理解とサポートが必要な障害です。

  • ○対人関係の問題
    社会的なルールの理解や、場の空気を読む、相手の気持ちを理解することが難しく、対人関係を上手く
    築けません。みんなが喜んでいるときに喜んだり、相手の望んでいることを理解したりすることが出来ず、
    「自己中心的な人」「空気が読めない」等、誤解をされてしまうこともあります。
  • ○コミュニケーションの問題
    会話能力自体は正常ですが、表情や行間を読むことが難しい傾向にあります。言わなくても分かるだろうと
    思うことでも、はっきりと言葉で伝えなければわからないのです。
  • ○限定されたものへの興味・こだわり
    車や鉄道、コンピューターなど、特定のものに興味を持ちやすく、また過剰なまでに熱中します。
    興味のあるものに関しては、大量の情報を記憶することも珍しくありません。
    また、規則的な行動に対するこだわりが強く、決まった道順・手順・日常習慣などがあり、決めたルールを
    変えることを嫌います。

トゥレット症候群

脳機能の障害で、平均6~8歳、遅くても14歳くらいまでに発症します。
瞬き・首を振るなどの単純チックの症状から始まり、咳払い・鼻ならしなどの音声チックの症状、さらに不謹慎な言葉を無意識に言ってしまう複雑チックの症状が出るようになります。複雑運動チック・複雑音声チックは、思春期(10歳位以降)から出るようになり、いきなり奇声や「バカ」等の言葉を無意識に発してしまい、周囲に誤解を招いてしまうこともあります。
他の障害を併発する場合も多く、注意欠陥多動性障害や強迫性障害は特に多い併発症と言われています。
また、学習障害・睡眠障害・気分障害などがみられます。

  • ○運動チック
    瞬き・首振り・腕振り・白目をむく・顔をしかめる等の症状があります。複雑運動チックになると臭いをかぐ・
    ジャンプする・叩く・触る等の症状があります。健常者では真似できないほど激しく首を振ったり、座ったまま
    ジャンプする動作などを繰り返してしまいます。無意識に身体が勝手に動いてしまいます。
  • ○音声チック
    咳払い・鼻をならす・動物の鳴き声のような声を出す・奇声を発するなどの症状があります。
    複雑音声チックになると、卑猥な言葉や汚い言葉などを無意識に発してしまう汚言症のような症状が出たり、
    他の人が言った言葉を繰り返し言うこともあります。

学習障害(LD)

photo_002学習障害は知的な発達に遅れはなく、読む・書くなどの1つまたは複数の分野の理解・能力取得に困難が生じます。
特定の分野・能力にのみ障害があり、他の能力は正常で高い知能を持っている場合もあります。
(例)・言語能力の困難 ・読字、書字の困難 ・算数、計算の困難
   ・社会性の困難 ・運動の困難

  • ○ディスレクシア(読字障害)
    文字を読む能力の障害です。似た文字が理解できない・文章を読んでいるとどこを読んでいるかわからなくなる・
    字を読むと頭痛がしてくる・読んでも内容の理解が出来ないなどの症状があります。
  • ○ディスグラフィア(書字障害)
    文字を書くことに困難を示す症状です。黒板の文字を書き写すのが難しい・鏡字を書いてしまう・作文が書けない
    等の症状があります。
  • ○ディスカリキュア(算数障害)
    数字や記号の理解や認識ができない・簡単な計算が出来ない(指を使わなければできない)・数の大小の理解が
    困難などの症状があります。

ADHD ― 注意欠陥多動性障害

年齢相応の不注意・他動性・衝動性が見られる障害です。症状自体は誰にでもありそうな症状ですが、ADHDの場合は日常生活に支障をきたすほどです。
ADHDの症状はさまざまで、全て当てはまるわけではなく、現れ方もひとりひとり異なってきます。

  • ○「不注意」の症状
    注意力・集中力が持続せず、あちこちに意識がいってしまいます。
    教室で物音がすると、すぐに物音のしたほうに意識がいってしまったり、そわそわしていているように
    見えたりします。忘れ物が多い、物をなくすことが多い、片付けられないという症状もあります。
  • ○「多動性」の症状
    じっとしていられずに、動きが多いのが特徴です。授業中でも教室を飛び出してしまったり、教室内を
    歩き回ってしまったりします。また、移動はしなくても常にモジモジと動いていたり、キョロキョロしていたりもします。
  • ○「衝動性」の症状
    衝動が抑えられず、突発的に行動してしまいます。授業中でも自分がしたいことをしてしまったり、
    質問を最後まで聞かずに話し始めてしまったりします。
    順番を待てない・我慢できない・ルールを守れないなどの症状があり、自分の思い通りにならないと我慢できず
    手を出してしまうこともあります。感情のコントロールが出来ないことも特徴の一つです。